毎日歯磨きしても歯ぐきから血・しみる?『これ』は方法名より力と当て方
正直に申し上げます。
私は、歯磨きをさぼるほうの人間ではありません。朝と夜、毎日磨いています。
それなのに、冷たい水を口に含むと奥歯のあたりがキーンとしみる。夜、すすいだ水に、うっすら赤いものが混じっている。
「こんなに毎日磨いているのに、どうしてなのか」と思いました。
同じ気持ちで検索した方は、たぶんこんな見出しに出会っているはずです。「毎日しっかり歯を磨いているのに、歯がしみて歯ぐきから血が出る?『これ』を変えてください」。そして記事を開くと、その『これ』の答えとして、歯ブラシを回転させて歯ぐきから歯の方向へ掃き下ろす「ローリング法(回転法)」が紹介されていることがあるんですね。
そこで私は、その『これ』を、日本の歯科医師会・学会の資料と研究論文でたどってみました。
結論から申し上げます。見出しの前半——「毎日磨いている」と「磨けている」は別物だ——は、国の統計が裏づけていました。けれど『これ』の答えをローリング法に置くのは、いまの日本の歯科団体の説明とは一致しませんでした。
日本の資料がそろって指していたのは、磨き方の名前ではありません。歯ブラシをどこに当てるか、どれくらいの力で、どう動かすかです。
そしてもう一つ、先にお伝えしておきたいことがあります。「しみる」と「血が出る」は原因が別の症状です。 磨き方を変えるだけで両方が片づくとは限らないのです。
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本記事は歯みがきに関する一般的な健康情報であり、歯科医師による診断・治療に代わるものではありません。歯がしみる・歯ぐきから血が出るといった症状は、知覚過敏や歯肉炎だけでなく、むし歯、歯の亀裂、歯周病、まれに全身の病気が関係していることもあります。症状が続く場合は自己判断せず、歯科医院を受診してください。
毎日歯磨きしているのに——「磨いている」と「磨けている」は違います
まず、国の数字から見てみます。
厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査(2024年10〜11月実施、割合は全国補正値)です。
- 毎日歯をみがく人:1歳以上の約97%
- 毎日2回以上みがく人:1歳以上の82.0%
ほとんどの人が、毎日、しかも1日2回以上磨いているんですね。
ところが同じ調査で、調査員が実際に口の中を診査したところ、10歳以上の42.9%に「歯肉出血あり」でした。年齢別では、最も低い10〜14歳でも23.9%、最も高い80〜84歳では50.3%です。15歳以上では47.8%に4mm以上の歯周ポケットが見つかっています。
毎日磨いている。
それでも、磨けていない場所がある。
日本歯科医師会も、はっきりこう書いています。「8020達成のためには『磨いている』ことと『磨けている』ことは違う」。
自分では気づきにくい、ということも見えてきます
同じ調査には、本人に尋ねる質問もあります。1歳以上で「歯をみがくと血が出る」と答えた人は6.3%(最も高い60〜64歳で12.8%)、「冷たいものや熱いものがしみる」は7.8%(最も高い35〜39歳で17.8%)でした。
ただし、ここは注意が必要です。
診査の42.9%は10歳以上・調査員による口腔診査。自己申告の6.3%は1歳以上・質問紙。対象の年齢も、測り方も違います。ですから二つを割り算して「何倍の人が気づいていない」と言うことはできません。
並べて言えるのは、ここまでです。診査では10歳以上の4割以上に出血が見つかる一方で、「磨くと血が出る」と自覚している人は1割に満たない。
それだけでも、「毎日磨いているから大丈夫」とは言い切れないことは、十分に伝わると思います。

「しみる」と「血が出る」は、原因が別の症状です
あの見出しは、しみることと血が出ることを一続きに書いています。
けれど、この二つは原因の系統が違うんですね。
歯ぐきからの出血は、まず「炎症のサイン」
日本歯周病学会が監修するペリオブックは、こう書いています。「歯肉から出血するということは、歯肉に炎症が起こっているサインです。」
厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、歯周病は、歯肉に炎症を起こした状態(歯肉炎)と、歯を支える骨(歯槽骨)まで溶かしてしまう状態(歯周炎)を合わせた呼び名です。細菌の毒素によって「歯肉が腫れたり出血しやすくなったりします」。
もちろん、歯ブラシが強く当たりすぎて傷ができ、出血することもあります。ペリオブックもその可能性に触れたうえで、こう続けています。「しかし、出血を侮ってはいけません。」
ここで大事なのは、次のことです。
出血の原因が磨き残しのプラーク(歯垢)による炎症なら、「血が出るから磨くのを控える」はかえって逆効果になり得ます。
必要なのは、弱く・少なく磨くことではありません。歯と歯ぐきの境目と歯の間を、軽い力で丁寧に磨くことなのです。
しみる原因は、ひとつではありません
しみる症状——いわゆる知覚過敏は、歯の内側の象牙質が露出することで起こります。
では、なぜ露出するのか。日本歯科医師会(田上順次・東京医科歯科大学教授)は、原因として次のようなものを挙げています。
- 加齢などによる歯ぐきの退縮
- 歯の破折
- 歯が擦り減ることによる象牙質の露出
- 歯が溶けること(酸蝕)。「エナメル質はpH5.5程度で溶け始めます」
- むし歯の治療に伴うもの
- ホワイトニングに伴うもの
pH5.5は、エナメル質が溶け始める目安の値です。飲み物そのもののpHとは別の話なので、そこは混同しないでください。
昭和大学歯学部の真鍋厚史教授は、ほかに噛みしめや食いしばり、酸性の飲食物も挙げています。
強すぎる歯磨きは、この中の一つです。
唯一の原因ではありません。

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「しみる」は、むし歯や歯のひびでも起こります
ここは特に強調しておきたいところです。
むし歯や歯の亀裂でも、同じように「しみる」ことがあります。日本歯科医師会はこう書いています。「自分では知覚過敏であるのか、むし歯などによる痛みであるのかは分かりにくいですから、早めに歯科医院で受診することをおすすめします」。
磨き方を変えて様子を見る。その前に、歯科で原因を確かめたほうがよい場合がある、ということです。

『これ』はローリング法なのか——日本の歯科団体の説明を読むと
さて、見出しの『これ』の話です。
歯ブラシを歯ぐきに当てて回転させ、歯の方向へ掃き下ろす。ローリング法(回転法)と呼ばれる磨き方です。これを「正しい磨き方」として勧める記事を見かけることがあります。
けれど、日本の資料を読むと、位置づけはかなり違っていました。
ライオン歯科衛生研究所はこう書いています。「30年ほど前まで、この歯ブラシを上下に回転させる『ローリング法』が一般的でした。でも、現在では、歯ブラシを小刻みに動かす『スクラッビング法』が主流になっています。歯ブラシ操作が簡単で、歯垢を取り除く効果が高いためです。」
日本歯周病学会監修のペリオブックは、ブラッシングを「毛先を使う方法」と「毛の脇腹を使う方法」に分けています。そしてローリング法を、「歯肉のマッサージを考慮し、主に歯ブラシの脇腹を使用する方法」の側に分類しています。そのうえで、「現在、主に毛先を使用するプラーク除去効果の高い方法が選択されています」。一般的に用いられるのは、バス法、スクラビング法、1歯ずつの縦みがき法だとしています。
日本歯科医師会のテーマパーク8020「ブラッシング」でも、説明は次のとおりです。
- むし歯予防:「歯の表と裏側に歯ブラシの毛先を直角に当て往復運動」
- 歯周病予防:「歯と歯肉の境に歯ブラシの毛先を45度になるように当て、弱い力で細かく振動する」
ここにローリング法の記載はありません。
「毛先を歯ぐきに当てる」と「回転させる」は、実は別の動きです
もうひとつ、細かいけれど大事な食い違いがあります。
見出しのような記事では「毛先を歯ぐきに当てて回転させる」と書かれることがあるのですが、学会監修サイトの分類では、ローリング法は毛の脇腹を使う方法です。
毛先を歯と歯ぐきの境目に当てるのは、むしろバス法の特徴なんですね。
ローリング法については、歯と歯ぐきの境目に毛先が届きにくいという指摘もあります。
世界的に見ても「これが一番」は決まっていません
では、スクラビング法やバス法が唯一の正解なのか。そう言い切ることもできません。
13の研究をまとめた系統的レビュー(Rajwani ほか, 2020年)は、「ある磨き方が他より歯垢の除去や歯肉炎の改善に効果的だと示す証拠は、まだ不十分」と結論づけています。
各国の歯科団体・企業・教科書が勧める磨き方を調べた研究(Wainwright・Sheiham, 2014年)でも、最も多かったのは改良バス法でしたが、推奨は全体として大きくばらついていました。
ですから、この記事では磨き方の名前では勝負しません。
名前より、どこに・どれくらいの力で・どう動かすか。
日本の資料がそろって言っていたのは、そこでした。
なお、歯冠の方向へ回転させる動作そのものが無意味なわけではありません。ペリオブックが紹介するスティルマン改良法も、最後に歯ブラシを歯冠方向へ回転させます。ただ、それを「これさえやれば」という答えにするのは違う、ということです。
横に動かすのが悪いのではなく、「強い力で大きく」が問題です
見出しのような記事には、もうひとつ定番の説明があります。「歯ブラシを横に強くゴシゴシ動かすと、歯と歯ぐきの境目が削れてしみるようになり、歯ぐきが下がる」というものです。
これは、半分は日本の歯科団体の見解と重なります。
日本歯科医師会「朝昼晩」で、真鍋厚史教授はこう話しています。
「よくあるのが、奥歯から犬歯あたりまで一気にゴシゴシと長いストロークで磨くやり方。これは残念ながら間違いです。ストロークは短く。歯1本分か長くても2本分の幅で小刻みに歯ブラシを動かし、柔らかな力で磨きます。」
同じ記事で真鍋教授は、「知覚過敏の要因はさまざまありますが、ひとつは過度なブラッシングです」とも述べています。ライオン歯科衛生研究所も、歯ぐきが下がる原因として、かみ合わせの異常・歯周病の進行・加齢などと並べて、強い力での歯みがき、歯ブラシを大きく動かすこと、かたい歯ブラシの使用を挙げています。
ただし、ここで二つ補正が必要です。
ひとつ。「横に動かす」こと自体が悪いのではありません。
日本で主流のスクラビング法は、ペリオブックの説明によれば「歯ブラシの毛先を歯面に直角に当て軽く力を加えながら細かい横みがきで小刻みに」動かす方法です。横方向の小さな動きは、むしろ標準なのです。問題は方向ではなく、力の強さと、ストロークの大きさと、硬すぎる毛のほうなんですね。
ふたつ。因果の強さは、研究では決着していません。
歯磨きと歯ぐきの退縮の関係を調べた系統的レビュー(Rajapakse ほか, 2007年)は、関連を支持するにも否定するにも、データは「決定的でない」としています。
歯の根元がくさび状に欠ける「くさび状欠損」についても、強い歯磨き、噛みしめや歯ぎしりなどの咬合力、酸などが候補に挙がっていますが、研究のレビューでも特定の原因とは結びつけられていません(Senna ほか, 2012年/Bartlett ほか, 2006年)。知覚過敏と、歯磨きの回数や技術との関連も、研究によって結果が食い違っています(Denucci ほか, 2026年)。
ですから、言えるのはここまでです。
強い力で大きくゴシゴシ動かす磨き方は、歯ぐきが下がる・歯の根元がすり減る要因の一つと考えられていて、日本の歯科団体は短いストロークと柔らかな力を勧めている。
そして歯ぐきが下がる主な原因としては、歯周病と加齢が先に挙げられています。磨き方は、それに加わる要因の一つという位置づけです。
正しい磨き方の中身は「当て方・力・動かし方」です
では具体的に、何をどう変えればいいのか。
8020推進財団、日本歯科医師会、日本歯周病学会監修サイトなどの説明を、共通項でまとめてみます。
| 見直すポイント | 目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 当てる場所 | 毛先を歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目にきちんと当てる | 8020推進財団 |
| 力 | 150〜200gの軽い力(毛先が広がらない程度) | 8020推進財団/ライオン歯科衛生研究所 |
| 力(学会監修サイト) | 適切なブラッシング圧は100〜200g。硬い毛だと圧が強くなりやすい | 日本歯周病学会監修ペリオブック |
| 動かし方 | 5〜10mmを目安に小刻みに、1〜2歯ずつ | 8020推進財団 |
| ストロークの幅 | 歯1本分、長くても2本分 | 日本歯科医師会(真鍋教授) |
| 回数 | 1か所20回以上 | ライオン歯科衛生研究所/ペリオブック |
| 歯周病が気になるとき | 歯と歯ぐきの境目に毛先を約45度で当て、弱い力で細かく振動させる(バス法) | 日本歯科医師会/ペリオブック |
| 毛の硬さ | 炎症が強い、力を加減しにくいときは軟毛。改善したらふつう | ペリオブック |
| 歯の間 | デンタルフロス・歯間ブラシを併用する | 日本歯科医師会/8020推進財団 |
| 自分に合う方法 | かかりつけの歯科医師・歯科衛生士に指導してもらう | ペリオブック/日本歯科医師会 |
150〜200gといわれても、ぴんと来ないかもしれません。
目安は「毛先が広がらない程度」です。一度キッチンスケールに歯ブラシを押し当ててみると、感覚をつかみやすいと思います。

歯の間と境目は、歯ブラシだけでは残ります
日本歯科医師会は、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目には歯間清掃具を、としています。令和6年の調査では、歯ブラシに加えて歯間清掃用具なども使っている人は、1歳以上の63.4%でした。
使い始めると、歯ぐきから血が出ることがあります。
真鍋教授は、こう書いています。「気にせずに続けてください。血が出るのは浮腫のサイン。歯肉炎の状態です。続ければ歯肉がしまって出血もおさまります。」
ただし、続けても出血がおさまらない、むしろ増える場合は、歯科を受診してください。 そこから先は、セルフケアの範囲の外です。

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しみるからといって、磨くのをやめない
しみると、その場所を避けて磨きたくなります。
けれど日本歯科医師会は、「知覚過敏の改善にも歯みがきはとても重要です」と書いています。磨かずにプラークがたまれば、かえって悪化し得るからです。
ケアの選択肢としては、硝酸カリウムや乳酸アルミニウムなどを含む知覚過敏用の歯みがき剤、歯科医院での薬剤の塗布やコーティングがあります。
ただし、これらはあくまで補助です。しみる原因がむし歯や亀裂なら、歯みがき剤では解決しません。
歯ブラシの交換は「期間」より「毛先の開き」で決める
見出しのような記事の三つめの定番は、歯ブラシの交換です。「毛先が開いた歯ブラシは歯ぐきを傷つけるだけで、歯垢は全く落とせない」といった書き方も見かけます。
「毛先が開くと汚れが落ちにくくなる」。ここは成り立ちます。
けれど、「全く」「傷つけるだけ」までは言えませんでした。
どれくらい落ちにくくなるのかを示す国内の数字は、いずれも歯ブラシメーカーの実験によるもので、条件もそれぞれ違います。そのうち一つを、条件つきで紹介します。
歯の模型を使ったメーカー(ライオン)の試験では、毛先が約1割開いた歯ブラシ(1か月使用相当=200gの荷重で43,200回ブラッシングして作製)は、新品に比べて清掃力が約2割低下しました。
約2割の低下です。落ちなくなるわけではありません。
人を対象にした研究も見てみます。
172人がそれぞれ3か月ずつ同じ歯ブラシを使った研究(Van Leeuwen ほか, 2019年)では、毛先の開きが極端な歯ブラシを返した人は、開きがない〜軽い人より、歯垢のスコアが有意に高くなりました(P = 0.01)。著者らの結論は、交換時期の目安としては、使った期間より毛先の開きのほうが適している、というものでした。
一方、歯科衛生士が2分間磨くという条件の研究(Rosema ほか, 2013年)では、3か月使った歯ブラシと新品で、歯垢の減り方に臨床的に意味のある差は出ませんでした。歯ぐきのすり傷のスコアにも有意な差はありませんでした。この研究でも、効き目の低下を左右していたのは使用期間より摩耗の程度だったようだ、と書かれています。
つまり、こういうことです。
毛先が開けば落ちにくくなる。ただし、どれだけ落ちにくくなるかは開き具合次第。
そして「開いた歯ブラシは歯ぐきを傷つけるだけ」と言える根拠は、今回の資料では見つかりませんでした。
交換の目安は、国によっても違います
- 8020推進財団(日本):1か月に1本を目安に
- 日本歯周病学会監修ペリオブック:通常1〜2か月
- 米国歯科医師会(ADA):3〜4か月ごと、毛先が開けばそれより早く
よく見かける「2〜3か月ごと」という数字は、このどれとも一致しません。
実用的な見分け方は、ライオン歯科衛生研究所が紹介しているこの方法です。「ハブラシを裏側から見て、毛先が横にはみ出していたら、交換の時期」。
日本の目安である1か月を基本にしつつ、はみ出していたら期間に関係なく替える。 それが、いちばん根拠に忠実な答えだと思います。
そしてもう一つ。
1か月もたずに毛先が開いてしまうなら、それは力が強すぎるサインです。
8020推進財団は、「縦や横に強い力でみがくと、毛先が開いてしまい、きれいにみがけません。また歯ぐきを傷つける場合があります」と書いています。交換の頻度より先に、力のほうを見直してみてください。

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セルフケアで戻せるもの、戻せないもの
ここは、正直に書いておきます。
磨き方を見直して改善が期待できるのは、プラークによる歯肉炎の範囲までです。
歯を支える骨が溶ける歯周炎、削れてしまった歯の根元、下がってしまった歯ぐきは、磨き方を変えても元には戻りません。 そこは歯科での治療の領域です。
しみる原因が知覚過敏なのか、むし歯なのか、ひびなのか。これも自分では見分けられません。
そして口の中は、人それぞれです。歯並びや歯ぐきの状態によって、合う磨き方は変わります。ペリオブックも日本歯科医師会も、かかりつけの歯科医師・歯科衛生士に自分に合う方法を指導してもらうことを勧めています。令和6年の調査で、過去1年に歯科健診を受けた人は63.8%でした。
自己判断せず、歯科・主治医に相談してほしい人
- 血が止まりにくい人、歯ぐき以外にもあざや鼻血が出やすい人
- 血をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を飲んでいる人(薬は自己判断でやめないでください)
- 糖尿病のある人、妊娠中の人
- フェニトイン、シクロスポリン、カルシウム拮抗薬などを飲んでいて、歯ぐきが腫れてきた人
- 矯正装置、インプラント、入れ歯、ブリッジがある人
- 小さな子ども(仕上げみがきが必要です。この記事の数値は大人向けの目安です)
MSDマニュアル家庭版によると、歯肉炎には全身の病気が関わっていることもあります。白血病の小児の約25%では、歯肉炎が最初の徴候になります。白血病では血液が正常に固まらないため、出血が数分以上続くことがよくあります。
珍しいことではあります。けれど、「止まりにくい出血」だけは見過ごさないでください。
受診の目安
判断に迷ったときのために、3段階で整理しておきます。
【すぐに119番・直ちに医療機関へ】
- 口の底(舌の下)や首が腫れて、息苦しい・飲み込みにくい
- 歯の痛みや腫れに加えて、発熱、頭痛や錯乱(意識がおかしい)、見え方の異常・物が二重に見える、目の周りの腫れがある
- 歯ぐきなどからの出血が、圧迫しても止まらない・大量に出ている
【当日〜数日のうちに歯科へ】
- あごや頬の腫れ、非常に強い痛み、歯ぐきから膿が出る
- しみる痛みが数十秒以上続く、ズキズキ続く、何もしなくても痛む、噛むと痛い
- 特定の1本だけが強くしみる、しみ方が急に強くなった
- 出血に加えて、歯ぐきの腫れ・口臭・歯のぐらつき・朝の口のネバつきがある
- 出血がなかなか止まらない、歯ぐき以外にも出血しやすい(歯科に加えて内科も受診)
- 抗凝固薬などを飲んでいて出血が増えた(薬は自己判断でやめない)
【セルフケアを見直しながら、近いうちに歯科でチェック】
- 冷たいもので一瞬しみるが、すぐ(長くても1分以内)おさまる
- 歯みがきやフロスのときに少し血が出るが、腫れ・痛み・ぐらつきはない
- → 軽い力・短いストローク・境目と歯の間を丁寧に。毛先の開いた歯ブラシは交換。知覚過敏用の歯みがき剤も選択肢の一つ
- → しばらく続けても改善しない、悪化する場合は歯科へ
知覚過敏のしみる痛みは、長くても1分以内で消えるのが典型だとされています。長く続く激しい痛みは、歯の神経の炎症も疑われます(日本歯科医師会)。「いつもと違うしみ方」は、それ自体が受診の理由になります。

調べ終えて、私の中でいちばん変わったのは、『これ』の意味でした。
最初は、どこかに一つの正しい磨き方があって、それに切り替えれば済むのだと思っていました。
けれど、名前のついた「正解」は、研究でも決まっていなかった。そのかわりに日本の資料がそろって指さしていたのは、もっと地味なことでした。
毛先を境目に当てる。軽い力で。小刻みに。歯の間も。
そしてもう一つ。しみる理由と血が出る理由は、別かもしれない。 だから磨き方を見直すのと同じくらい、一度歯科で見てもらうことが大事なのだと思います。
毎日磨くという習慣そのものは、もう持っているのですから。
参考資料:厚生労働省「令和6年歯科疾患実態調査結果の概要」(2025年12月24日再公開版)、厚生労働省「『令和6年歯科疾患実態調査』の結果(概要)を公表します」、日本歯周病学会監修 ペリオブック「正しい歯のブラッシング方法をご存知ですか?」、日本歯周病学会監修 ペリオブック「歯茎から血が出た・・・あなたが歯周病を疑うべき理由」、日本歯科医師会 テーマパーク8020「知覚過敏」、日本歯科医師会 テーマパーク8020「ブラッシング」、日本歯科医師会「朝昼晩」お悩み相談!教えて先生『知覚過敏』、日本歯科医師会「8020は夢ではない」、8020推進財団「ケア用品の選び方」、e-ヘルスネット「歯周病とは」、e-ヘルスネット「歯周疾患の自覚症状とセルフチェック」、MSDマニュアル家庭版「歯肉炎」、MSDマニュアル家庭版「歯痛」、MSDマニュアル家庭版「歯槽膿瘍」、American Dental Association “Toothbrushes”、Van Leeuwen MPC, et al. Int J Dent Hyg 2019、Rosema NA, et al. Int J Dent Hyg 2013、Rajwani AR, et al. Oral Health Prev Dent 2020、Wainwright J, Sheiham A. Br Dent J 2014、Rajapakse PS, et al. J Clin Periodontol 2007、Senna P, et al. J Oral Rehabil 2012、Bartlett DW, et al. J Dent Res 2006、Denucci GC, et al. Periodontol 2000, 2026、ライオン歯科衛生研究所「口のトラブルを予防する歯のみがき方」、ライオン歯科衛生研究所「知覚過敏」、ライオン「ハブラシ状態チェック」。歯ブラシの清掃力低下の数値は歯ブラシメーカーによる歯の模型を用いた試験の結果です。2026年9月時点の整理です。
※本記事は歯みがきに関する一般的な健康情報であり、歯科医師による診断・治療に代わるものではありません。 歯がしみる・歯ぐきから血が出るといった症状は、知覚過敏や歯肉炎だけでなく、むし歯、歯の亀裂、歯周病、まれに全身の病気が関係していることもあります。症状が続く場合は自己判断せず、歯科医院を受診してください。 適切な磨き方は歯並びや歯ぐきの状態によって異なるため、かかりつけの歯科医師・歯科衛生士に自分に合った方法を指導してもらうことをおすすめします。服薬中の方は、自己判断で薬をやめず、歯科医師・主治医にご相談ください。本記事は特定の商品を推奨するものではありません。本記事の情報は2026年9月時点の公開資料に基づきます。
