妊娠週数別|国の支援金・助成金と申請の流れまとめ
正直に申し上げますと、妊娠がわかってうれしい気持ちの裏で、真っ先に頭をよぎったのは「これから、いくらかかるんだろう」という不安でした。
私だけではないと思います。制度の名前は聞いたことがあっても、いつ、どこに、何を申請すればいいのか。そこで一度、手が止まってしまうんですよね。
でも、妊娠でもらえる国の支援金・助成金は、実は流れで捉えるととてもシンプルなんです。
大きく分けると、「妊娠がわかったとき」「出産のとき」「産後・子育て期」の3つのタイミングで受け取るお金がある。順番に見ていけば、迷うことはありません。
ここで一つだけ、先にお伝えしておきます。
金額や条件は国が定めていますが、妊婦健診の助成額など一部は市区町村によって差があります。この記事は2026年7月時点の一般的な目安をまとめたものですので、実際の支給額・申請期限は、必ずお住まいの自治体や加入先の健康保険でご確認ください。

妊娠がわかったら、まず動く3つの手続き
妊娠がわかって最初に向かうのは、お住まいの市区町村の窓口です。
ここで動く手続きは、大きく3つあります。
- 妊娠届の提出 → 母子健康手帳の交付
- 妊婦健診の受診券(補助券)を受け取る
- 妊婦のための支援給付(5万円)を申請する
この3つは、たいてい同じタイミングでまとめて案内してもらえます。まずはここが、すべてのスタート地点なんですね。
妊婦健診の助成 ― 14回程度が公費でカバー
妊婦健診は、妊娠から出産まで14回程度が必要とされています。この費用を、市区町村が公費で助成してくれます。
全国すべての市区町村(1,741自治体)で「14回以上」の助成が実施されている、というのは少し安心できる事実だと思います。
助成は、妊娠届のときにもらう受診券を医療機関で使う形が一般的です。公費負担額の全国平均は約10万7,792円とされています。
ただし、ここは正直にお伝えしておきたいところです。
助成額には自治体差があり、最も高い石川県と最も低い神奈川県では約1.86倍の差があるとされています(厚労省調べ)。券の中身は自治体ごとに違うので、受け取ったら一度確認してみてください。
受診の目安は、次のようなペースです。
- 妊娠初期〜妊娠23週:おおむね 4週間に1回
- 妊娠24週〜妊娠35週:おおむね 2週間に1回
- 妊娠36週〜出産まで:おおむね 1週間に1回

Photo: Abel García / Pexels
妊婦のための支援給付 ― 妊娠期に5万円
もう一つ、2025年4月から始まった新しい制度があります。
妊婦のための支援給付です。以前の「出産・子育て応援交付金(応援ギフト)」が再編されたもので、相談支援と経済的支援を一体で行う仕組みなんですね。
もらえる金額は、合計10万円相当を2段階で。
- 妊娠期:妊婦給付の認定後、遅滞なく 5万円
- 出産後:生まれた子ども 1人につき5万円(双子なら2人分で10万円)
面談を通じて、両親学級や産前産後ケアなどのサービスも紹介してもらえます。お金だけでなく、相談できる窓口ができる。そういう意味でも、早めに手続きしておくと心強い制度だと思います。
出産のときにもらえるお金
無事に出産の時期を迎えると、今度は出産にまつわる給付が加わります。
出産育児一時金 ― 子ども1人につき50万円
出産といえば、まずこれです。
公的医療保険(健康保険・国民健康保険など)の加入者が出産したとき、子ども1人につき原則50万円が支給されます。双子なら、2人分で100万円です。
この金額は、2023年4月にそれまでの原則42万円から50万円へ13年ぶりに引き上げられ、2026年現在も続いています。
支給の条件は、健康保険の被保険者または被扶養者で、妊娠85日(妊娠4か月)以上の出産であること。この条件を満たせば、早産や死産などのケースでも対象になり得ます。
受け取り方は、出産費用に直接充てる「直接支払制度」が一般的です。費用が50万円未満なら、差額が後から支給されます。
一点だけ補足すると、産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産などでは48.8万円になる場合があります。金額の内訳は、出産予定の医療機関や加入先で確認しておくと安心です。

出産手当金 ― 産休中の収入をおよそ3分の2補償
ここからは、お勤めの方(勤務先の健康保険に加入している方)向けの給付です。
出産手当金は、出産のために会社を休んで給与が受けられないときに、健康保険から支給されるお金です。国民健康保険にはない給付なので、そこは区別しておいてください。
支給される期間は、出産日以前42日(多胎妊娠は98日)から出産日の翌日以後56日まで。この範囲で、会社を休んだ日について支給されます。
1日あたりの金額は、ざっくり言うと「標準報酬日額 × 2/3 × 休んだ日数」。おおむね給与の約3分の2が補償されるイメージなんですね。
パートやアルバイトでも、労働時間や日数の条件を満たして健康保険に加入していれば、対象になり得ます。
産後・子育て期に続くお金
出産が終わっても、支援はそこで終わりません。むしろ、ここからが長い付き合いになります。
育児休業給付金と、2025年新設の上乗せ給付
育児休業を取ると、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。勤務先を通じてハローワークへ申請する形です。
金額は、休業開始時の賃金をもとに計算され、
- 育休開始から 180日目まで:67%
- 181日目以降:50%
という割合で支給されます。
そして、ここが2025年からの大きな変化です。
出生後休業支援給付金という上乗せ給付が新設されました。子の出生後8週間以内に一定期間の育休を取ると、育児休業給付金に上乗せされ、最大28日間は賃金の80%(社会保険料の免除などにより、手取りではほぼ10割相当)を受け取れるようになったんですね。
※育児休業給付金の上限額は毎年8月に改定されます。金額は「2025年時点」の目安として捉えてください。

児童手当 ― 2024年10月から高校生年代まで
最後に、子育て期を通じて続くのが児童手当です。
2024年10月分から、この制度は大きく拡充されました。主な変更点は次の4つです。
- 所得制限を完全撤廃 ― 所得にかかわらず全額支給
- 高校生年代まで拡大 ― 18歳到達後の最初の年度末まで
- 第3子以降を増額 ― 月額15,000円 → 30,000円
- 支給が年6回に ― 偶数月に2か月分ずつ
支給月額の目安は、3歳未満が15,000円、3歳〜高校生年代が10,000円(第3子以降は年齢を問わず30,000円)です。
一つ、大切な注意点があります。児童手当は、出生後に自分で申請しないと始まりません。自動では支給されないので、申請忘れにはくれぐれもご注意ください。

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妊娠週数・タイミングでざっと整理すると
情報が多くなってきたので、時系列でもう一度だけ整理しておきます。
- 妊娠がわかったら(初期) … 妊娠届・母子手帳、妊婦健診の受診券、妊婦のための支援給付(5万円)
- 妊娠中〜出産まで … 妊婦健診の公費助成。就労者は産前42日から出産手当金の対象期間へ
- 出産のとき … 出産育児一時金(1人50万円)、支援給付の出産後分(1人5万円)
- 産後 … 出産手当金(産後56日まで)、育児休業給付金+出生後休業支援給付金、児童手当の申請
「妊娠◯週」は、最終月経開始日を0週0日として数えます。妊娠4か月=妊娠85日以上が、出産育児一時金の一つの目安になる、と覚えておくと分かりやすいと思います。
[内部リンク: 関連記事 – 妊娠がわかったら最初にやることチェックリスト]
なお、分娩費用そのものを保険適用にする「無償化」の議論も進んでいますが、2026年7月時点では未実施です。制度は動いている最中なので、最新情報は国の発表を確認してください。
制度の名前を一つずつ並べると、どうしても難しく見えてしまいます。
でも、やることは「妊娠がわかったら市区町村へ、出産したら健康保険と勤務先へ、産後は児童手当を申請する」。突き詰めると、それだけなんですね。
お金の不安は、ゼロにはならないかもしれません。それでも、受け取れるものを知っておくだけで、気持ちはずいぶん軽くなります。
そして、金額や申請期限で迷ったら、遠慮なくお住まいの市区町村の窓口に聞いてみてください。制度は、使う人のために用意されているものですから。
参考にした情報源
本記事は以下の信頼できる公的情報をもとに構成しました(詳細はリサーチ資料に基づく)。
- 厚生労働省「出産育児一時金等について」
- こども家庭庁「妊婦のための支援給付・妊婦等包括相談支援事業」
- 政府広報オンライン「2024年10月分から児童手当が大幅拡充」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「出産で会社を休んだとき(出産手当金)」
- 厚生労働省「育児休業給付の内容(出生後休業支援給付・2025年改訂版)」ほか
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の支給可否・金額・申請期限を保証するものではありません。実際のお手続きは、必ずお住まいの市区町村・加入先の健康保険・勤務先・ハローワークにご確認ください。
